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卒業式での友情

就職難と言われているなか、なんとか一社内定することができた。

 そんな学生生活もいよいよ残りわずか。卒業式には成人式で着た本振袖を着ることにし、
 友人で着物を着ることになっている八重子と郁枝と一緒に美容院に予約して着付けをしてもらってから行くことにした。
 成人式にむけて仕立ててもらった振袖、今度の卒業式で袖を通すのは2回目になる。振袖はうすいピンク色に蝶の刺繍が縫われている。
去年に呉服屋へ行ったとき、あの色柄がとても気に入り成人式に着るのがとても楽しみだった。
その振袖をまた着る機会が得られるなんて嬉しい。そんなことを思いながら、残りの学生生活を有意義に過ごしていった。

 卒業式を二日前に向かえた日のこと。風邪をひいてしまったらしく熱があり、下痢もする。卒業式を休むなんてことはしたくない。
体調は悪いがなんとしてでも学生生活最後の思い出を作っておきたい。
八重子や恵美、郁枝と一緒に卒業式の晴れの日の記念の写真を撮りたいからだ。

 卒業式を前日に迎えた今日。まだ下痢も熱もおさまらず相変わらず体調が悪い。
今、風邪薬を服用し、安静にしている。そんな時、私を心配してきたのか八重子から
電話がかかってきた。

「美紀、体大丈夫?」
「まだ下痢もおさまらない。でも明日は絶対卒業式出るよ。
 学生生活最後の式典なんだし。」
「あんまり無理しないように。
 明日美容院に8時集合だよね?」
「うん。
 私あの薄ピンクの振袖を持っていく。」
「私はお姉ちゃんが買った袴も持っていくことにした。」
「いいなー。
私も袴欲しかったなあ。」
「今日はゆっくりして、明日はちょっとでもマシな状態にしなさいよ。
 じゃ、明日8時に美容院でね。」
「うん、電話ありがとう。
 じゃあね。」

 私は電話を切った。
 下から母がお粥が出来たと言ってきた。お腹の具合が悪いので、お粥を作ってもらったのだ。

 「気分はどう?
  明日休んだ方がいいんじゃないの?」
 「ううん。学生生活最後の式典だし、行かないわけにはいかないよ。
  それにあの振袖着たいし。」
 「あの振袖、だいぶ気に入ったみたいね。
  あとで美容院へ持っていけるようにしたくしておいてあげるから。」
 「ありがとう。」

 私はお粥を食べ終わり、薬を飲み明日に備えて体調を少しでも改善するために今日はもう何もしないことにした。氷枕に新しい氷をつめ、ベッドに入り寝ることにした。
ジリリリリーーン
 卒業式当日の朝を迎えた。美容院へ行くため目覚まし時計を7時前にセットしていたのだ。
起きて美容院へ行く準備をする。熱は大分下がったようだが下痢はあいかわらずで、先ほども・・・。
薬を飲み、昨日用意してもらった着物を持ち待ち合わせをしている美容院へ向う。すると、郁枝が既に待っていた。

 「美紀、大丈夫?」
 「なんとか・・・。
  でもまだ本調子じゃなくて、今朝も下痢だった・・・。」
 「そう・・。」

 外は寒いので美容院の中へ入って郁枝と一緒に八重子が来るのを待つ。
腹部の調子は今のところ大丈夫だ。
10分くらい過ぎたころに、八重子がやってきた。

 「美紀、郁枝。おはよう。」

 私達は早速着物を取り出し、着付けをして貰う。
しかし着付けの途中、腹部に異変が生じた。帯を結んでもらう前に一度トイレに行かせて貰うことにした。
 「すいません、お手洗いに・・・」
店員さんは手を止め、すぐにトイレに行かせてもらった。まさかこの着物で大慌てでトイレに駆け込むなんて思ってもいなかった。この調子で式中に何回もトイレに立つことだけは避けたい・・・。

 帯を結んでもらい、3人お互いの姿を見合う。

「八重子の袴姿、きまってるー!」
「わたしも袴着たかったなー!」
「まるで『はいからさん』気分!」

着付けを終え、私達3人は美容院を後にし、学校の方へと向う。
先ほどトイレを済ませておいたので、今のところは特に問題はなさそうだ。

 学校へつく。すると、スーツ姿の恵美が寄ってきた。
恵美のスーツは以前の就職相談会の時に着ていたリクルートスーツだった。

「美紀、おはよう!
綺麗な着物だねえ。うらやましい!」
「成人式のために作ってもらったんだ。」
「あーあ、私も田舎から着物送ってもらえればよかったなー。
 レンタル出すほどお金ないし。」
「でも恵美も着たんでしょ、着物。」
「田舎でね。あの時こっちに持ってきておけばよかったなあ。」

 放送で卒業生はしばらく待機しておくようにと連絡が入ったのでみんな待機している。
私の腹部は今のところ殆ど問題はなさそうだ。今はトイレに行かなくても大丈夫そうだが式中に催すと困るので行っておくことに。
しかし、下痢は出なかった。しばらくは大丈夫かもと思った。
念のため、薬を飲んでおくことにした。

卒業生は講堂へ入るようにと連絡が入り、揃って講堂へ行くことになった。色とりどりの着物やスーツ、中にはチャイナドレスの人もいた。講堂へ入り、着席する。八重子達とは席が離れ離れになってしまい、お互い話ができなくなってしまった。
式次第を見て、もしこのときに腹痛が起きてしまったら・・・と考えてしまう。八重子達が側にいればこんな不安も吹き飛んだのかも・・・。

 式が始まった。卒業生代表が卒業証書を受け取り、校長の式辞が始まった。
そのときであった。腹部がキリキリと痛み出したのであった。おはしょりの部分の上からさすることにした。着物と長襦袢の擦る音がかすかに聞こえるが壇上からの式辞で殆ど周りには聞こえない。

 長い式辞が終わり、卒業生は一度立ち上がり、礼をして着席する。この動作を式辞の始まりと最後に必ずしなくてはならない。私は腹部を気にしながら礼の角度を控え気味にしている。そのために、他の人よりもやけに目立っている感じがする。
着席し、またも長い式辞が始まった。すると、一気に腹部の調子が悪くなり、痛くなってきた。

 キリキリ所ではなくなってきた。よく腹痛には「波」があるというが、まさにその通りで痛みが急に強くなったり弱くなったりする。
しかし、着物の上からこすり、一生懸命耐える。
「まだ大丈夫、まだ大丈夫」と自分に言い聞かせながら我慢する。今席を立つと非常に目立つ。何とか痛みに耐えながら時が過ぎるのを待つ。
しかし、人間とは不思議なもので、このような状況になった時に限って時間の過ぎていく速度が遅く感じるものである。来賓の式辞や電報の読まれる時間が物凄く長く感じ、腕時計をちらちらと長い袖から覗かせて見ているが針が一周する速度が物凄く遅いように見えてしまった。
痛みは増し、そろそろ我慢の限界に近づいてきた。一人必死に腹痛に耐えているその姿はかなり目立つ。腹部をさする速さも増し、少し震え始めてきた。もう我慢できない・・・。
めまいがし、まるでフィルムのようにチカチカするような感覚に襲われた。もう、我慢できない・・・でもここでするわけには・・・。

 そんな時、私の肩に手を乗せてきた人がいた。
その手を乗せた人物は私がよくお世話になった女の先生であった。

「どうしたの?」
「ちょっとめまいが・・・」
「大丈夫?外へ行って休憩した方がいいんじゃないの?
 顔色真っ青よ。」
「はい・・・。」

 私は救われた・・・。私は先生につかまり、講堂を後にした。講堂を出て、トイレに向うことにした

小池先生に連れられて講堂を出た私はトイレへ向おうとしている。
小池先生は腹部の激しい下し音を聞いてこういった。

「お腹痛いの?」
「はい・・・この間から風邪で・・・。」

私は片手をお尻にあて、もう片方をおはしょりの部分にあて、一生懸命耐える。
トイレへはあともう少し。しかし、痛みが激しく速く歩くことができない。私は立ち
止まり、痛さをじっと堪える。
「大丈夫?」
もう、切羽詰まった状態である。とにかく早くトイレに行きたい・・・。先生の肩に手を
乗せ、トイレへと急いでもらう。

 トイレが見えてきた。ドアを開けてもらい洋式の個室へと入ろうとする。しかしその
途中で急にしゃがみこんでしまった。
「どうしたの??」
「もう、私・・・だ・・・め・・・・」
小池先生は私の両脇に手を入れ立たせようした。私は一生懸命手でお尻をおさえて我慢
していたが、ついにその限界が訪れてしまった。
「あ・・・・あ・・・・・あぁ・・・・・!」
「ちょ、ちょっと!!」
私のお尻の方から激しい音が鳴り響いた。と同時にお尻をおさえていた片手には非常に
生暖かく濡れた感触を着物から感じとることができたのだ・・・。

「んあぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・・」

 ついに、我慢できずにやってしまったのだ。
勢いが凄い。まだ汚水が出てくるのである。着物の表地からぬるぬるとした液体が
たくさん染みでてしまった。

「石田さん!目の前だったのに、どうしてそこまで我慢できなかったの!?」
私には小池先生の言葉は耳に入らなかった。もうどうすることもできない状態になった
のである。汚水が出終わるとしばらく放心状態になった。
自分からは感触しか確認できないが、着物の裾が下痢で濡れ汚れていることがはっきり
わかる。呆然とする私を小池先生は個室に入れ、私にこういった。

「また下痢が出るかもしれないから、やっておきなさい。
 私は床の汚水を流すからね。」

私には小池先生に返す言葉がない。いや、何も言い返せなくなったのだ。私は言われるが
ままに着物の裾をはだけさせ、下着を外しトイレットペーパーでくるんで床に置いた。
着物と長襦袢の裾を手でもちあげ便座に座る。トイレットペーパーはくるんだ下着から
水分を吸い、茶色くなってきた。

「きっと・・・この着物も・・・。」

私には確認できないが、この淡いピンク地の着物の裾も、このトイレットペーパーのよう
に茶色く濡れているのだろう。先ほどお尻をおさえていた片手をみると、袖の部分が
汚水ですこし茶色くなっていた。トイレットペーパーでその手をふき取り、便器の中に
そのトイレットペーパーを捨てる。片手の袖はあまり濡れていなかったがおさえていた
お尻の部分は酷く濡れ汚れているのであろう。

 晴れの日にまさかこんな事を起こしてしまうなんて・・・。おとなしく家で休んでおく
べきだったのだと後悔した。成人式のために気に入った色柄の反物から仕立ててもらった
非常に高価な着物・・・それを着て学生生活のラストを飾ろうと風邪はひきながらも
卒業式に参加した自分が情けなくなった。こんなことになるのだったら来なければ
よかった・・・。八重子や恵美、郁枝にこんな情けない姿を見せられない。早くこの場から立ち去りたい・・・そんなことを考えているうちに、私は堪えきれず泣いてしまった。

 個室の外では小池先生が水で汚水を流しているのが聞こえる。バケツに水を入れ、
床に水をまき排水溝へと流している様子がわかる。私は便座に座ったまま何もできない
状態だ。

「もう、大丈夫?」
と小池先生が言ってきた。私の腹部はもうおさまり大丈夫な状態になっていた。
汚れた下着を汚物入れに入れ立ち上がり、着物の裾を綺麗に整え、水を流した。
そして、何も言わないまま個室を出た。
「さ、石田さん。
 医務室に行きましょう。今なら誰にも会わないから。」
小池先生に言われ、トイレを出る。
誰一人あわずに小池先生に連れられ、医務室の中に入っていった。
医務室に入ると、山内先生がいた。

「おや、どうしたの?
 気分でも悪くなった?」

小池先生は事の説明をして下さった。山内先生はその話を聞きびっくりした。
「これは大変なことになったわねえ。
 お腹の調子はまだ痛む?」
腹部の痛みは殆どなくなった。私は首を横に振り、常に下を向き涙を流したまま一言も
しゃべらない。

「しばらく横になったほうがいいわ。」

山内先生は私の帯を外し、裾を捲りお尻をタオルで拭き始めた。
お尻にバスタオルを二重に巻き、着物の裾の下にもバスタオルを巻いて私をベッドに
寝かせた。
「もし、また出そうになったらすぐ言うのよ。
 わかったね?」

私はうなずき、情けない自分を責めながら目を閉じた。
私は医務室のベッドの上で休むことにした。過ぎ行く時間がやけに長く感じた。まったく
静かな医務室の空間の中で聞こえる音は外の鳥の声くらいである。山内先生は色々と忙しいらしく、
医務室内であちこちに移動しては物音をたてている。目を閉じるが後の事を考えるとゆっくり眠りにつくこともできない。

 長く感じた時間もやがて過ぎ、卒業式は終わったらしく外から賑やかな声が聞こえてきはじめた。
本当なら、この綺麗な着物姿で皆と一緒に写真をとるつもりだったのに、こんな恥ずかしい姿になって外になんて出られない。
そう思っているうちに医務室のドアが開く音が聞こえた。

「山内先生!」
「あら、みんな。卒業おめでとう。」
「先生、今までありがとうございました。
 いつまでもお元気で。」
「こちらの方こそ、みんなにはお世話になったわ。本当にありがとう。
 また、顔出しにいらっしゃいね。」
「はい!」

 山内先生は悩んだりしたことを相談すると必ずアドバイスをくれる、とても知的で優しい先生である。
そのためか、非常に人気が高く校内でその先生のことを知らない者は少ない。
私と仲良しのみんなも山内先生とは非常に仲がよく、学園祭の時には小池先生も交えて一緒に演劇部のお芝居の手伝いなどをしたこともあった。
山内先生は服飾に非常に詳しく、演劇用の衣装を作る時にアドバイスを部の衣装係にしたり、
家から着なくなった着物などを持ってきて衣装として提供したり、
いろいろなことをやってきたのだ。

 しばらくしてまたドアが開いた。そこからは八重子たちの声が聞こえてきた。
「山内先生、美紀がここで休んでると小池先生から聞いたのですが。」
「えぇ、いるわよ。でも・・・。」
「でも?」
「とりあえず、入って。」

 山内先生は八重子たちを医務室に入れ、私が休んでいるベッドのところへ連れてきた。「美紀、どうしたの?」
「小池先生が美紀を連れていくのを見て、心配になったんだから。」

 私は悩んだ。漏らしたことを言うべきか言わざるべきか・・・。
しかし、山内先生は既に私が漏らしたことを知っているし、着物にもはっきりとおもらしの染みができている。私は恐る恐る起き上がり、ベッドから降りた。

「うわ!!美紀どうしたの、それ!!」
着物に出来た染みを見た郁枝が言った。私には何も言うことができなくなってしまった。漏らしたことがみんなにわかってしまったからだ。

「みんな、みんなごめんね・・・。
 私もう、どうしたらいいのか・・・。」
「美紀、自分を責めちゃだめ。病人なのに一生懸命頑張って晴れの日の今日に来たんだから。着物が汚れちゃったのは事故、事故だよ。」

恵美は私に気を使ってそういってくれた。

「本当は、皆揃って外で写真をとるつもりだったのに・・・。
 人生最悪の日だよ・・・こんなことなら来るんじゃなかった・・・。」

私はみんなに合わせる顔がなかった。

 その時である。八重子は突然何かを思いついたかのように山内先生に耳打ちをした。
山内先生は顔の表情を一転させ、八重子と山内先生は私達は医務室に残るように言い、
私と恵美と郁枝を医務室に残したままドアのカギを閉めて行った。

「八重子と先生、何をするつもりなんだろう?」

郁枝は不思議そうにしていた。
恵美も同じことを言った。一体、二人は何をしようというのであろうか?それは私たち三人には想像もつかない
私と郁枝、恵美は静まった医務室の中に残ったままである。もう20分くらい経ったであろうか?

「八重子と先生、何やってるんだろう?遅いね。」
「そうだね。
 美紀、どうお腹の具合は?」
「今はなんとか大丈夫・・・」

 私たち3人はただただ二人の帰りを待つばかりである。あの二人が戻らない限り、私たちはここから一歩も出ることができないからだ。
濡れ、汚れた着物からは異様な臭いが漂う。早く脱ぎたいが着替えが無い。布団の中に立ちこめた臭いがとても恥ずかしい。
こんな臭いが外に漏れていないかどうかが非常に気になる。

 35分が経過した頃、やっと医務室のドアのカギの開く音が聞こえ、ドアが開く。
と同時にビニール袋を擦ったような音が聞こえてきた。

「遅くなってごめんね。」

山内先生が言った。八重子と先生は手に何かビニールに包まれたものを抱えている。

「あ!それは!!」

と、郁枝はそれを見て言った。
山内先生はその物を私に見せて言った。

「私が2年前、学園祭の演劇部のために家から持ってきた着物よ。
 石田さん、この着物の色かなり気に入ってたでしょ?」

 そうだ。山内先生が自宅から持ってきた淡いピンク地の着物・・・その色に惹かれて私は去年、今着ているこの着物を仕立てるときに
その色と同じ物にしようと決めたのだった。

「石田さん、この色がとても気に入って同じ色の着物を仕立てたんでしょう?
 今日ムリしてでも卒業式に来たのも、みんなと一緒に最後の思い出を作りたかったからでしょう?
 ほら、これに着替えちゃえば人目を気にせずに外を歩けるし、着替えなさいよ。」
「美紀、丈がちょっと足りないかもしれないと思って、袴も持ってきたよ。
 『はいからさん』みたいになりたいって言ってたじゃない。」

私は嬉しさのあまり、なんとも言い返せなくなった。

山内先生は声の大きさを落として話た。
「あなたがおもらしをしてしまったことは、ここにいる皆と小池先生以外誰も知らない。
だから、これに着替えれば誰に会っても不思議がられない。もし、さっきまで袴を履いてなかったのに
なぜ履いてるのかと聞かれても、袴を履いてみんなと写真が撮りたかったからって言い訳すれば平気よ。」

 私は言われて、嬉さのあまり涙を流した。
そんな私を見た八重子はこういった。

「美紀、覚えてる?
 わたしが中学の時おもらししちゃった時のこと。」



実は八重子は中学3年生の6月の修学旅行の時、宿泊施設に着いた途端我慢できずにおしっこを漏らしてしまったのであった。
制服のスカートはぐっしょり濡れ、男子生徒からはからかわれるし、とにかく可哀想だった。

 私はそんな八重子を思い、当時の女友達と一緒に八重子をかばってあげた。先生は冷かす男子生徒を集め、旅先でも説教をしていた。
泣きじゃくる八重子をつれて誰よりも早く宿泊施設の中に入れてもらい、トイレで着替えさせることにした。
旅先は学校のあたりと比べて気温が若干低く、寒がりの私は寒くなって来た時のために冬用の予備のスカートを持ってきていたのだった。
私はそのスカートを八重子に貸し、スカートを着替えさせることにした。

その時の八重子は私に嬉し涙を見せていた…。


「あの時の美紀には本当に感謝してるんだ。
 だから、その恩返しを今までしたかったんだよ。」

私は、その恩返しを今になって、八重子にしてもらっていたのである。
私はその言葉を聞いてまた涙を流してしまった。

「もう、泣かないで。泣いちゃ駄目よ。
 ほら、笑って。」
「そうよ、泣くのは離れ離れになるときにしなさいよ。
 それまでは涙は溜めておきなさい。」

私はその言葉にうなずき、涙を拭いた。

「もう、泣かない。
 ありがとう、みんな。」

私は別れの時間までもう泣かないことにした。
山内先生は私に着替えるように言ってきた。

「さ、ほら着替えて。
 着替えたらみんなで記念撮影しよう。」

 私はすぐに、先生と八重子が用意して来てくれた着物と袴に着替えた。
山内先生に着付けを手伝ってもらい、私は「はいからさん」に変身した。
汚れてしまった方は先生に風呂敷をお借りしてそれに入れて持つことにした。

私はみんなに感謝すると共に、もうこれ以上自分を責めるのをやめた。
私たちは医務室を出て、キャンパスに出ることにした。

 キャンパスに出た私たちはみんな揃って記念撮影をすることにした。

「はい、ならんでー!
 ほら、石田さんにっこりー!!」

 山内先生はカメラで私たち三人の写真を撮って下さった。
キャンパスを歩く他の生徒にシャッターを押してもらうよう頼み、山内先生、八重子、郁枝に恵美と一緒に並んで
学生生活最後の思い出の1枚を撮ることになった。

「はい、チーズ!!」

この1枚は私の学生生活、いや人生の最大の思い出の1枚となるであろう。

みんな、どうかお元気で!

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おもらし大学生 | [2012-09-20(Thu) 20:54:36] | Trackback:(0) | Comments:(0) | [編集]
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